忍ばない石田のブログ

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Shakespeare's R&J 観劇記

 

舞台「Shakespeare's R&J~シェイクスピアロミオとジュリエット~」完走おめでとうございます🎊1週間経っても絶賛あるじぇロス真っ只中ですが、自分なりに感じたことを書き留めておきます。

 

・ロミオを「演じる」から「のめり込む」学生1

僕が演じるのはロミオではなく、あくまで学生が演じるロミオでなので、その境目に苦戦しています。(パンフレットより)

北川くんが話していた通り、R&Jでは学生が演じているというところが最大の特徴であり、難しさでもありました。

「さぁ、夜の世界の幕開けだ」から始まり、戯曲を楽しそうに読み回す場面や、ジュリエットと乳母のシーンを座って見ている時の反応、気分が高揚し歌い出す前半の場面は学生らしさが色濃く出ていたように感じました。

舞踏会でジュリエットに一目惚れするロミオ。ジュリエットを引き寄せる所作、ジュリエットに視線を取られてしまう様子、キスシーン。その全てが役というより本能的な行動に見えて、学生1がロミオを「演じる」から「のめり込む」に変わった瞬間だったのかなと思います。

君を夏の一日にたとえようか?だが君はもっと愛らしく、もっと穏やかだ。荒々しい風が五月の蕾を揺さぶり、夏の命脈はあまりに短い。(中略)人が息をするかぎり、その目がものを見るかぎり、この詩は生き続け、この詩は君に命を与える。(シェイクスピアソネット集」第18番/公式Twitterより)

このセリフがロミオとジュリエットの原作にはなく「ソネット集」から用いられているものと知り、セリフと言うよりジュリエットに対するどうしようもない感情から溢れ出た詩であり、学生1が完全にロミオに「のめり込む」瞬間だったんだなと。

(ここからは完全にロミオに「のめり込む」)

2人の死を以て、現実世界に再び戻る学生4人。しかしロミオとジュリエットの世界から抜け出せない、未練のある学生1。

朝と共に陰鬱な安らぎが訪れる。太陽も悲しみ、顔を見せようとしない。この場を去り、悲しい出来事を語り合おう。赦すべきものもあれば、罰すべきものもある。数ある慈悲の中でもロミオとジュリエットの物語ほど痛ましいものはない。(ロミオとジュリエットより)

このシーンでロミオから、学生1に戻る。ラストシーンで同じ夢を見た仲間3方向に向かって、「夢を見た」と言った後、戯曲を閉じ、強く抱きしめる。ロミオとジュリエットの物語世界の中で戯曲を破いたり投げたりするほど感情をぶつけるシーンもあった中、最後は学生1が辛そうに大切そうに戯曲を抱きしめる。「夢」は終わる。学生1の人生は続いていく。

ロミオとジュリエットの内容はいわゆるバッドエンドだったけど、R&Jという作品は決してバッドエンドではないところも素敵だなと感じました。

 

・学生1/ロミオ、北川拓実くんの「若さ」

まだ幼いほどの男女な出会い、一目で恋に落ち、結ばれ、家と家との反目に不幸が重なり一緒に死ぬ。何がシンプルと言ってこれほどシンプルな話もないだろう。(ロミオとジュリエット 訳者あとがきより)

ロミオとジュリエットの内容の疾走感の中で、決して結ばれてはいけない人への一目惚れ、真っ直ぐな愛、仲間を想う気持ち、愛するが故の死。若さ溢れるロミオ。

厳しい環境の中、物語世界にどっぷり浸かっていく純粋な学生1。

この舞台に通う中でいろんな気づきがあって、はじめ少し距離があった木戸くんと中田くんに懐いていく様子とか(北川くんって好きって気持ちが目に出ちゃうタイプなので)、途中から「ロザライン?」の言い方が変わって、より学生らしさを出せるようになったところとか、白シャツにまでRアンドJのロゴが印字されている細かい仕様とか、革靴の裏に25.5って書いてあったりとか!!(いら情)

でも思い返すのは、大千穐楽のラストばかりで。北川くんが出す空気、絞り出すような声、苦しそうな呼吸、潤む目。真意は本人にしかわからないけど、見ていて震えて仕方なかったし、この震えの理由が分からず、ずっと考えていました。

考えた結果、「恐さ」だなと。北川くんが恐くて仕方なかったんです。

今でも分からないけど、消えてしまいそうな儚さも、眩しすぎるほどの成長も、そして学生1/ロミオと何も変わらぬ、その若さも。

彼は目力ともまた違う、不思議な目をしているように見えるんです。どこか現実世界ではないものを見ている目をしていて。(パンフレット内 演出田中麻衣子さん)

田中さんのこの言葉に共感しかなくて、北川くんがその目で夢を追いかけ、成長していく限り、私も自分の目でしっかりと見続けて、応援したいなと思いました。本当にすごい舞台を見せてくれてありがとう。忘れられない6月になりました。

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スプパラにて少年忍者としての舞台が決まり、北川くんは参加しないことが発表されました。青木くんがすぐにフォローしてくれたから、"そういう事"ではないとは分かっていながらも、目まぐるしく変わる少年忍者、その単独舞台を全日程欠席してまで優先すべき仕事が発表されるのか?火の顔も主演じゃないのに?北川くんは今、何を考えているんだろう……とにかく発表が待ち遠しくて、安心したくて、毎日12時の昼休みになった瞬間TLを覗くのが習慣になってました。だからこそR&Jが決まった瞬間とっても嬉しかった😭!しかもオーディションで掴み取った役だったことが何より嬉しかったです。

少年忍者・北川拓実&青木滉平、木戸大聖、中田圭祐、舞台で『ロミオとジュリエット』挑戦 | ORICON NEWS

初日を迎えるまで、島動画や媒体などで「難しすぎて超やばい、いつも落ち込んでいます」「シェイクスピアの馴染みのない台詞に引っ張られ、学生1の雰囲気を見失ってしまいそうになる」と苦悩を口にしていた北川くん。いつも悩んで悩んで、想像も出来ないような姿を見せてくれるからこそ、悩んでいる過程すら逞しく感じていました。

「忍者のみんな舞台頑張って」 | ISLAND TV

「舞台R&Jまであと1週間」 | ISLAND TV

迎えた初日公演。想像を絶するほどの膨大なセリフ量を、2時間ノーミスで演じ切った北川くん。予習なしで臨んだ私は「これまたすごい宿題が出たな!」と思いました。見ているこちらも本を読んだり解釈を深めたり、その解釈を話し合ったり。私は北川くんの舞台の、この時間がたまらなく好きです。次の日から例の件が世に出て、素敵な舞台の感想が埋もれることが悔しくて悲しかった。本人が招いたこととはいえ、舞台に立つのも辛かったかもしれない。それでも毎日集中を切らさず、堂々と舞台に立ち続けた姿が眩しかったです。

「東京公演千穐楽!」 | ISLAND TV

「成長できた、芝居もどんどん良くなってた気がする」と北川くん自身が感じていて嬉しかった……

豊橋千穐楽は、東京よりも広い2階席まである会場。2階席までたくさんのお客さんが入ってました。喉も本調子じゃなかったのに、完璧に演じ切ったことが本当に誇らしかった。

「舞台『Shakespeare's R&J』大千穐楽!!」 | ISLAND TV

北川くんは本当にすごい人だな………

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